アメリカ~「チキンガンボ」

南部料理

ガンボはアフリカの呼び名で、オクラのこと。アメリカ南部ニューオーリンズ生まれの郷土料理ですが、いまや、全米的ナショナルフードです。

オクラやトマトをこってり煮込む

栄養満点

ガンボは、オクラ、チキン、ハム、タマネギ、トマトなどをラードで妙めて煮こんだこってりスープ。主菜も副菜も汁ものも兼ねる栄養バランス満点のスープです。

ソウルフード

もともとは、南部の綿畑で働いていた、アフリカから奴隷として連れてこられた黒人たちが、残飯を巧みに加工した"ソウルフード"であったもの。

底に沈んだわずかの米粒

ガンボスープの特徴は、辛さと底に沈んだわずかの米粒。主人の台所から出された残りご飯のローストチキンやバターライスを混ぜ入れて煮込んでいた名残といわれています。

メキシコ~「チリコンカン」

チリコンカンは、水でもどした乾燥インゲン豆とニンニクと妙めた牛挽肉をチリパウダーをきかせて煮こんだスープです。

チリ(唐辛子)

アメリカのポークビーンズの原型となった料理ですが、チリとは唐辛子のこと。オレガノやディルを合わせて、〈チリパウダー〉として販売されています。

発汗と血液循環を促す

チリで発汗と血液の循環をうながし、常食することにより健康が維持できるとメキシコの人たちは口を揃えていいます。

プロテインのスコアをひきあげる

乾燥のインゲン豆には炭水化物が58%ふくまれ、いわばエネルギー源。たんぱく質も20%ちかくふくみ、味出しのために加えた牛ひき肉の動物性たんぱく質と相まって、プロテインのスコアをひきあげるという、理想的な組みあわせのスープです。塩味、トマト味と、家庭により味つけのバリエーションはさまざま。

ブラジル~「フェジョアーダ」

黒色のブラジル小豆

実だくさんのスープ

フェジョアーダは、昔、ブラジルの東北部に奴隷として連れてこられたアフリカの黒人たちが、雇い主たちが豚ロース肉やリブを食べて残った、耳、足、鼻などを塩漬けにして、フェジョンという黒色のブラジル小豆とことこと煮込んで作り上げた実だくさんスープ。

週2回

食べる日は週に2回、水曜日と土曜日と決まっていて、ラードを入れて炊いた白飯とサラダ菜のせん切りソテーを皿にもった上にかけ、マンジョッカ(芋の一種)パウダーをローストした粉(日本のきなこのようなもの)をふりかけて、甘味を出していただきます。

時間をかけて作るおふくろの味

もともとは安い材料で作る料理でしたが、いまでは加える具も牛肉やソーセージなどと増え、時間のかかるブラジルの代表的なおふくろの味となっています。ご飯とフェジョアーダを食べないと元気が出ないというブラジル人はたくさんいます。日本のご飯と味噌汁みたいですね。